専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。
当事務所では、遺言・相続・離婚のご相談をお受けしています。
このブログでは、お客様にぜひ知っていただきたい相続などの知識や私の活動記録などを発信しています。
私はこの仕事をする前、税理士事務所で3年間パートで働いていました。
その時に上司から任されたのが「相続税申告」の実務。
電話でのお問い合わせに答えたり、相続税申告に必要な資料の確認、評価の前処理、申告後の不動産の相続登記に備えて司法書士との連携、もちろんお客様とのやり取り・・など、税理士の監督の元、実務的な仕事をしていました。
この経験が、今の仕事のベースになっていることは間違いありません。
パート勤務であった私が経験できたのはごく一部ですが、その時の経験を活かして、現在は税理士の先生が相続税申告をする際のお手伝いをしたり、相続税がかかるお客様と税理士の間に入って資料の準備など前裁きをしたり、ということも仕事の一つとしています。
相続税を簡単に説明すると
「亡くなった人(被相続人)から相続などによって得た遺産(課税価格)が、基礎控除額を超える場合、その財産を取得した人が申告する必要がある」
というものです。
そこで今日は、皆様にもぜひ知っていただきたい
の3つに絞ってお話をしていきたいと思います。
⑴基礎控除額
お客様からよく聞かれるのが「相続税って亡くなったらみんな払わないといけないんですよね」という質問。
この回答は「否。そうではありません。」
先にも書いたように、「亡くなった人(被相続人)から相続などによって得た遺産(課税価格)が、基礎控除額を超える場合」に財産を得た人が申告する必要があるというものです。
その基礎控除額は
「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」というものになります。
例えば、亡くなったのが父親、相続人は母親と子2人の計3人、という場合としましょう。
この場合、
3,000万円+(600万円×3人)
=3,000万円+1,800万円
=4,800万円
というように、父親の遺産(課税価格)が4,800万円を超えるとき、この超えた部分に対して「相続税」という税金がかかってきます。
もう少し正確に言うと「父親の遺産(課税価格)から控除できる債務と葬式費用を引いて、4,800万円を超えるとき」ということになります。
「課税価格」という言葉が何度か出ていますが、それは「財産のすべて」が対象となるわけではなく、「課税される財産」に対して相続税がかかるということだからです。
「課税される財産」とはならない「非課税の財産」というものもあります。
例えばですが、
〇墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物
〇相続によって取得したとみなされる生命保険金等のうち、500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
などが「非課税財産」の例として分かりやすいかと思います。
単純に財産全部が含まれるわけではない、ということですが、例えば故人の財産ではないと認識してしまいがちな、いわゆる「名義預金」と言われるものも、この「課税価格」に加算されます。
これは、例えば先の例で言うと、父親が働いて得たお金を、自分の名義ではなく自分の妻の名義で定期預金をしていた・・などというのが一例です。
この他にも、課税価格に含まれる財産はあります。
その様々を一般の方が正確に判断する、というのはとても難しいと言えるでしょう。
申告が必要かどうかを正確に見極め、漏れのない申告をするには、知識と経験が豊富な税理士に相談するのが一番です。
基礎控除枠を超えるかもしれない、もしくは超えるかどうか全くわからない、という方は、まずは少しでも早く税理士に相談しましょう。
⑵申告期限
なぜ「少しでも早く税理士に相談を」と言うのかというと、相続税の申告には期限があるからです。
この期限は、「相続の開始があったことを知った日(通常の場合は、被相続人が亡くなった日)の翌日から、10カ月目までの日」となります。
この期限までに、税務署への申告と納税をしなければならないのです。
亡くなった方の財産がすべて把握できている状態で、資料をすべて税理士にスムーズに渡せたとしても、税理士が相続税の申告準備をするのに基本的に数か月要します。
亡くなってからすぐに税理士に相談した場合でも、集める資料は多岐に渡り、10ヶ月はあっという間です。
スタートが遅れてしまった場合は、期限までは更に慌ただしいものになります。
そのうえ、
もし財産の把握ができていなかったら?
遺産の分割がスムーズにいかなかったら?
納税資金の確保に時間を要するとしたら?
期限に間に合えばまだ良いですが、間に合わないとなると大変です。
相続人が困ることにならないように、ご自身で生前に税理士に相談していただくなどして、相続税がかかるかどうかの確認を進めていただくことを、ぜひともお薦めいたします。
⑶生命保険金の非課税枠
生前から準備をすると、生命保険金の非課税枠を使う節税対策をすることもできます。
上記⑴にもあるように、
〇相続によって取得したとみなされる生命保険金等のうち、500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
が非課税となります。
先ほどの家族の例で言えば「500万円×3人=1,500万円」が基礎控除の枠とは別の「生命保険金の非課税枠」というものになるのです。
この保険金の非課税枠をうまく使うことで、課税財産を減らした上で、非課税財産を増やす事ができ、結果、相続税申告が必要なくなるというケースも出てくるのです。
生前に、ご自身亡き後相続税がかかるかどうかわかれば、この他にも状況次第で節税対策をすることも可能です。
知っていると得だけれど、知らないと損。
ご自身の財産について、専門家と一緒にしっかり把握をし、そのうえでできる対策をしっかり講じていく・・これは生前だからこそできることです。
今回はこのブログで一般的なご説明をさせていただきましたが、そもそも行政書士は個別具体的な税金のご相談に乗ることはできません。
相続税については、相続税を専門とし、知識と経験豊富な税理士の先生に相談していただくのが一番です。
弊所では、このような税理士にお繋ぎさせていただき、税理士とお客様の間に入り準備や調整を行うことが可能です。
相続発生後に「もしかして相続税がかかるかも」と思う相続人の方も、「生前にしっかりと把握して対策を行っておきたい」というご本人様も。
まずは「安心の窓口」として弊所にぜひご相談ください。
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