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専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。

当事務所では、遺言・相続・離婚のご相談をお受けしています。

このブログでは、お客様にぜひ知っていただきたい相続などの知識や私の活動記録などを発信していきます!


 

先月は、「亡くなったら銀行口座はどうなる?」というテーマで、預貯金の相続についてお話ししました。

財産の中でも預貯金は、金額で調整することができるため、相続人それぞれの希望に沿った分け方がしやすい財産です。


一方で、株式や投資信託などの有価証券は、預貯金とは異なり、相続の際に悩まれることが少なくありません。


実際にご相談を受けていると、

「平等に分けたいので、全部売却して現金で分ければいいですよね。」

というお話を伺うことがあります。


確かに、現金化すると分けやすく、公平な相続を実現する方法の一つといえるでしょう。


ただ、「公平に分けられる」ということだけで、その方法がご家族にとって最もよい方法とは限りません。


現物のまま引き継ぐという方法ももちろんあり、例えば、

「この株式は長男へ、この投資信託は長女へ」

のように、ご家族で話し合い、決められることもあります。

どの方法が適しているかは、ご資産の内容、そしてご家族の状況や希望によって異なります。


そこで今回は、有価証券を相続するときに知っておいていただきたいポイントについて、お話ししたいと思います。

 

有価証券は、預貯金のようには分けられません


例えば、預貯金が1,000万円あれば、相続人が2人なら500万円ずつ分けることは比較的簡単です。

しかし、有価証券はそうはいきません。

株式や投資信託は、銘柄や保有数によっては、相続人それぞれが希望する形で平等に分けることが難しい場合があり、「現物のまま相続する」のか、「一度売却して現金で分ける」のかという選択が必要になることがあります。


現物のまま引き継ぐことができれば、売却することなく資産を承継でき、将来値上がりする可能性もあります。

一方で、相続人間で平等に分けることが難しい場合もありますし、将来の価値が約束されているわけでもありません。


また、売却して現金で分ける方法にも、分けやすいという利点がある一方で、考えておかなければならないことが実はたくさんあります。


ここから少し具体的にみていきましょう。


相続人に手間がかかることもあります


現物のまま引き継ぐ方法は、大切な資産をそのまま承継できるというメリットがあります。


その一方で、預貯金の相続と比べると、相続人ご自身で対応しなければならない手続きがあり、時間や手間がかかることがあるのです。


例えば、証券口座をお持ちでない場合は、新たに口座の開設を求められます。

もちろん、すでに口座をお持ちの場合は、その口座を利用できるケースもあります。


また、銀行で取り扱っている投資信託では、引き続き保有するために、ご本人が銀行で説明を受けたり、口座の手続きを行ったりする必要があることもあります。


相続手続きそのものは私が代理で進められる部分もありますが、このような手続きは、ご本人でなければ対応できません。


手続きの方法によっては思わぬ影響も


一方、売却して現金で分ける方法にも、知っておいていただきたい点があります。

売却して現金化すれば「分けやすい」というメリットはありますが、売却の方法によって税務上の取扱いに注意が必要です。


方法によっては確定申告が必要になる場合もあり、利益が出ることで翌年の所得税や住民税、場合によっては健康保険料などに影響が生じるケースもあります。


さらに、有価証券は価格が日々変動します。

例えば相続税がかかる場合は、その評価方法は法律で定められており、亡くなられた時点などの評価額を基に計算されますが、その後、実際に売却する頃には価格が大きく下がってしまうこともあります。

有価証券を売却して相続税を支払おうと思っていたのに、株価が下がり、想定していた金額で売却できなかった、ということも起こり得るのです。


正解は一つではありません


このように、有価証券には、現物のまま承継する方法もあれば、売却して現金で分ける方法もあります。

どの方法が良いのかは、ご家族の状況や相続人の希望、保有している資産の内容によって異なります。

そのため、「平等だから売却する」という考え方も一つですが、それだけが正解ではありません。 


私は相続手続きの専門家として、それぞれの手続きの流れや方法ごとのメリット・デメリットをご説明し、ご判断の一助となるようお手伝いしています。


一方で、

「この有価証券は今後も保有した方がよいのか」

「売却した方がよいのか」

といった投資判断や資産運用については、私がお答えできる分野ではありません。


そのような場合には、金融資産の相続や資産承継に詳しい専門家をご紹介し、それぞれのご家庭に合ったアドバイスを受けていただくことも一つの方法です。


また、相続が発生してからの相続人の判断に頼るのではなく、生前から、有価証券をこのまま保有するのか、それとも売却して現金化しておくのかなど、ご家族に合った方法を考えておくことも大切でしょう。

その際には、相続人の負担や希望、有価証券を保有し続けたいのか、それとも売却したいのかといった考え方も踏まえながら、ご家族で一度話し合ってみてはいかがでしょうか。



今回は、有価証券の相続は預貯金の相続よりも複雑であり、それぞれの方法にメリット・デメリットがあるということをお話ししました。


手続きの詳しい方法についてお伝えしたものではありませんが、有価証券の相続にはさまざまな選択肢があることを知っていただき、ご家庭に合った方法を考えるきっかけになれば幸いです。

 
 
 

 

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「亡くなったら銀行口座はすぐに凍結される。」

そんな話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

実際、ご相談の中でも、「銀行が勝手に口座を止めてしまうんですよね?」というご質問をいただくことがあります。


実は、これは少し誤解があります。


亡くなった瞬間に自動で凍結されるわけではありません


銀行口座は、亡くなった瞬間に自動的に凍結されるわけではありません。


金融機関が口座名義人の死亡を知った時点で、相続手続きのために口座が凍結されます。

例えば、ご家族が窓口で相続手続きを申し出たとき、担当者が死亡を知ったとき、新聞のお悔やみ欄などで知ったときなどがきっかけになります。

もちろん、相続手続きを進めるためには金融機関へ届け出る必要がありますので、実際にはその時点で口座が凍結されるケースがほとんどです。


なぜ口座は凍結されるのでしょうか?


預貯金は相続財産の一つです。

遺言書がない場合には、相続人全員で誰が預貯金を相続するのかを話し合い、決めなければなりません。

その前に銀行が払い戻しをしてしまえば、相続人間のトラブルにつながる可能性があります。

そのため金融機関は、相続人や相続内容が確認できるまで原則として払い戻しを行いません。


つまり、口座の凍結は相続人全員の権利を守るための仕組みでもあるのです。


相続手続きはどのように進めるの?


遺言書がない場合、一般的には、戸籍を集めて相続人を確定し、相続人全員で遺産分割協議を行います。

そこで誰が預貯金を相続するのかを決め、遺産分割協議書や金融機関所定の相続手続書類などを提出して、解約や名義変更を行うのが基本的な流れです。

金融機関によって必要書類は異なりますが、「まずは相続人全員で話し合う」ことが基本となります。


口座が凍結されると困ること


ご家族が亡くなられた直後は、葬儀費用や病院・施設の精算、当面の生活費など、お金が必要になる場面が少なくありません。

さらに、口座から引き落とされていた公共料金や携帯電話料金、クレジットカード、施設利用料なども、口座が凍結されると引き落としができなくなります


契約先へ連絡をすれば引落口座を変更できますが、新しい口座での引落しが始まるまでには時間がかかることもあります。

その間は払込用紙で支払う対応となることが多く、必要な手続きを行えば、口座凍結とともにライフラインが止まってしまうわけではありません。

そのため、「口座振替が止まると困るから…」と銀行への連絡をためらう方もいらっしゃいますが、過度に心配される必要はありません。


エンディングノートが役立つ場面


亡くなられた直後のご家族は、「何がどこの口座から引き落とされていたのか」「どこへ連絡すればいいのか」が分からず困ることがあります。

利用している銀行、口座振替をしている契約、契約先や連絡先などをエンディングノートにまとめておくと、ご家族の負担を大きく減らすことができます。


「預貯金の仮払い制度」という仕組みもあります


2019年から、遺産分割協議が終わっていなくても、相続人が単独で一定額まで預貯金を払い戻せる「預貯金の仮払い制度」が始まりました。


戸籍などで相続人であることを証明し、手続きを行えば、


「預貯金残高×法定相続分×3分の1」を基準とした金額

(1金融機関あたり150万円が上限)


まで払い戻しを受けることができます。

急な葬儀費用などに対応するための制度ですが、必要書類の準備や金額の上限もあります。

そのため、「この制度があるから安心」というより、一つの選択肢として知っておいていただければと思います。


生前にできる備えもあります


亡くなってすぐに必要なお金という点では生命保険を活用する方法もあります。


生命保険金は原則として受取人固有の財産であり、遺産分割の対象とはならないため、保険会社へ連絡をいれると、早ければ1~4日程度で受け取ることができます


一方、遺言書を作成しておけば、誰が預貯金を相続するかをあらかじめ決めておくことができ、遺産分割協議が不要になるケースもあります。


ただし、公正証書遺言があったとしても金融機関での相続手続きは必要で、数週間程度かかることもあります。


「すぐに必要なお金」は生命保険

「預貯金の承継」は遺言書


というように、それぞれの特徴を生かした準備を考えることも大切です。


知っているだけで、慌て方は変わります


銀行口座が凍結されるという話だけを聞くと、「大変そう」と感じられるかもしれません。ですが、それは相続人全員の権利を守るための大切な仕組みです。

金融機関によって必要書類や手続きの流れが異なることもありますので、まずは取引のある金融機関へ確認することも大切です。


相続が発生すると銀行口座はどうなるのか。

どんな手続きが必要なのか。


その基本を知っておくだけでも、いざという時の慌て方は大きく変わります。


なお、預貯金の相続手続きについても、当事務所でサポートしております。

ご不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。

今回の記事が、銀行口座の相続手続きを知る第一歩となれば幸いです。

 
 
 

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相続や遺言のご相談を受けていると、

「遺言書を書いておけば安心ですよね?」

と聞かれることがあります。

もちろん、遺言書はとても大切です。

誰に何を相続させるのか。

どの財産を誰に渡すのか。

その意思を残すために欠かせないものです。


しかし実は、亡くなった後に必要なのは、財産に関する手続きだけではありません


「死後事務」とは?


亡くなった後には、


・病院や施設の費用の精算

・役所への届出

・健康保険証の返却

・年金関係の手続き

・公共料金の解約

・ご自宅やお部屋の片付け


など、様々な手続きがあります。

こうした、財産の承継以外の手続きを「死後事務」と呼びます。

少し分かりにくい言葉ですが、

「相続や遺言執行など財産に関すること以外の、亡くなった後に必要な手続き」と考えていただくと分かりやすいかもしれません。


一般的には、ご家族やご親族が行うことが多い手続きです。

しかし最近では、


・お一人暮らしの方

・子どもがいないご夫婦

・子どもはいるが遠方に住んでいる方

・兄弟姉妹も高齢になっている方


など、手続きをお願いできる人がいない、あるいはお願いできたとしても負担をかけたくない、という方も増えています。


死後事務は「身寄りのない方だけ」のものではない


死後事務委任契約というと、「身寄りのない方が利用するもの」というイメージを持たれることがあります。

もちろん、そのような方にとって大切な制度です。

しかし、先にも書いたように、実際には、


・子どもはいるが遠方に住んでいる

・親族に負担をかけたくない

・高齢の配偶者に手続きを任せたくない


という理由で利用を考える方も少なくありません。

以前ご相談を受けたのは、高齢のご夫婦でした。

お子様はいらっしゃるのですが、遠方で生活されています。

ご夫婦がおっしゃったのは、

「自分たちが亡くなった後、子どもに何度も仕事を休んでこちらへ来てもらうのは申し訳ない

ということでした。


また、

「どちらか一方が先に亡くなった場合、残された配偶者も高齢です。病院や役所の手続き、様々な清算手続きを一人で抱えさせるのは忍びない」

ともおっしゃっていました。

ご夫婦からご相談をいただく中で感じるのは、亡くなった後の手続きそのものよりも、その先への不安の方が大きいということです。


「自分が先に亡くなったら、残された配偶者は大丈夫だろうか。」

「もし配偶者が先に亡くなったら、自分一人で手続きを進めていけるだろうか。」


長年連れ添ったご夫婦だからこそ、どちらの立場になっても不安を感じるものです。

実際には、亡くなった後にはご葬儀や納骨だけにとどまらず、役所への届出や各種契約の解約、病院や施設費用の精算など、様々な手続きが待っています。


「何から始めればいいのだろう。」

「困ったとき、誰に相談したらいいのだろう。」


そんな不安を抱えておられる方も少なくありません。

近年は、身寄りのない高齢者の方が増えていることから、市町村でも見守りや死後の支援に関する仕組みづくりが進められています。

ただ、その対象は限定されていることも多く、誰もが利用できる仕組みとは言い切れません


また、「子どもはいるけれど遠方に住んでいる」「頼れる親族はいるけれど負担をかけたくない」といったケースでは、公的な制度だけでは対応しきれないこともあります。


そんなとき、

「もしもの時には頼れる人がいる。」

「自分たちに代わって動いてくれる人がいる。」

そう思えるだけで、安心感は大きく変わります


死後事務委任契約は、亡くなった後のための契約であることは事実です。

しかし、その価値は亡くなった後だけにあるわけではありません

ご夫婦がお元気なうちに準備をしておくことで、将来への漠然とした不安を減らし、今を安心して暮らすことができる。

私は、それこそがこの契約の大きな価値の一つではないかと感じています。


生前に契約する方法と、亡くなった後に依頼する方法


死後事務には、生前に契約を結び、亡くなった後の手続きを依頼しておく方法があります。一方で、亡くなった後に相続人の方から依頼を受けて、手続きをお手伝いをするケースもあります。


また、私自身が今後さらに取り組んでいきたいと考えているのが、「寄り添いサポート」です。

例えば、役所での手続きは相続人の方が主体となるけれど、一緒に窓口へ行く

何を準備すればよいのか整理する。

どの順番で進めればよいのかを案内する

必要に応じて専門家へつなぎ、全体を見ながら伴走する。


手続きをすべて代行するだけが支援ではありません。

不安な気持ちに寄り添いながら、一緒に進めていくことも大切な支援だと考えています。


必要な準備は人それぞれ


相続対策というと、遺言書ばかりに目が向きがちです。

もちろん遺言書はとても大切です。

しかし、遺言書だけで十分な方もいれば、死後事務委任契約も必要な方もいます。

場合によっては任意後見契約や家族信託など、別の準備が必要になることもあります。

どこまで準備するべきかは、ご家族の状況によっても、財産の内容によっても大きく変わります。

だからこそ大切なのは、「何を準備するか」ではなく、


「自分には何が必要なのか」

「何がないと困ることになるのか」


を考えることです。


また、今後起こりうる様々な場面で相談できる専門家とつながっておくこと自体にも、大きな価値があります

何かが起きてから慌てて探すのではなく、元気なうちに信頼できる相談先を持っておくことは、将来への安心にもつながるからです。


人生の最終章を安心して迎えるために


遺言書だけでなく、死後事務委任契約という選択肢があることも、ぜひ知っていただければと思います。

 
 
 
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