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専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。

当事務所では、遺言・相続・離婚のご相談をお受けしています。

このブログでは、お客様にぜひ知っていただきたい相続などの知識や私の活動記録などを発信していきます!

 

 

相続発生後に、

「父から相続したこの土地を、兄弟それぞれの名義の土地に分けたい」

というご希望を伺うことがあります。


不動産の相続の方法の一つに、「一つの土地を兄弟の共有名義にする」という方法もありますが、

これとは別に「一つの土地を複数に分け、それぞれを別々の土地として所有する」方法もあります。

この方法の場合には、土地を複数に分けるための手続きが必要です。


この手続きを「分筆」といいます。


「分筆」って、どういうこと?

分筆とは、上記のように「一つの土地を複数の土地に分ける手続き」です。


「100坪の土地があれば、50坪ずつに分ければいいのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、実際には、単純に土地を半分にして終わり、というわけではありません。


分筆をするためには、現在の土地の境界を確認し、どこで分けるのかを決めたうえで、必要な測量や手続きを行う必要があります。


この作業や手続きは「土地家屋調査士」という国家資格を持つ専門家が行います。


思ったより時間がかかることもあります

ではここで、「測量して分ければすぐにできるのか」というと、実際にはそう簡単には進みません。


もともと確定測量がされていない土地であれば、分筆のために改めて測量や境界の確認が必要です。

また、以前に測量をしていた場合でも、土地の状況や資料の内容によっては、改めて確認や測量を行うこともあります。

例えば、隣の土地が相続登記をされていない場合、所有者となる相続人が複数いることがあります。

そのような場合には、関係する相続人の方々に確認や立会いをお願いするなど、調整に時間を要するケースもあるのです。


また、現在私が関わっている案件の中にも、市との協議が必要となり、分筆までに時間を要しているケースがあり、想定以上に時間がかかってしまっています。


その上、分筆のための測量や境界の確認が終わったとしても、それで手続きがすべて完了するわけではありません。

土地家屋調査士による「分筆登記」が法務局で必要であり、その後、司法書士による「所有権移転登記」なども必要になります。


このように、土地を分けて相続するためには、測量だけでなく、その後の登記手続きも必要となるため、手続きがすべて完了するまでには、思った以上に時間がかかります。


費用についても、事前に考えておきたい

もちろん、費用も気になるところです。


分筆にかかる費用は、土地の広さや形状、境界の状況、測量の内容などによって変わりますが、場合によっては100万円を超えてくるケースもあります。

「土地を二つに分けるだけだから、それほど費用はかからないだろう」と甘く考えていただかない方が良いかもしれません。


遺言書で「分ける」と決めておけば大丈夫?

では、「将来、この土地を長男と次男で分けて相続させたい」と考えている場合、遺言書にそのように書いておけばよいのでしょうか。

もちろん、遺言書を作成しておくことは一つの方法ですが、書けばそのまま実現するわけではありません。


遺言書に書くのであれば、長男と次男が相続について話し合う必要はありませんが、分筆の作業は必要です。

そして、その作業がスムーズに進まなければ、せっかく遺言書を残していても、希望どおりに実現できないことになってしまいます。


そのため、遺言書で土地を分けることを考えている場合には、実際に分筆が可能なのか、どのように分けるのかを、あらかじめ確認しておくことが大切です。


場合によっては、相続が発生してから分筆するのではなく、生前に分筆しておく方がよいケースもあります。


土地を分けて相続した後のことまで考えておく

分筆して、それぞれが自分の土地として所有することができれば、その後の土地の使い方も、それぞれで考えていくことができます。


例えば、長男はそのままその土地に住み続け、次男は将来その土地を売却する、といったように、それぞれの事情に応じて土地を活用していくことができます。

一つの土地を共有するのではなく、それぞれが自分の土地として所有することで、将来の使い方や処分について、それぞれの所有者が判断していきやすくなるという点は大きなメリットと言えるでしょう。


だからこそ、土地を兄弟で分けて相続させたいのであれば、相続が発生してから考えるのではなく、様々な観点から事前に検討することが大切なのです。


土地を分けたいときは、早めに相談を

土地を兄弟で分けたい、将来それぞれに相続させたい、というご希望がある場合、実際には境界の確認や測量、関係者との調整、分筆登記、所有権移転登記、そして費用など、事前に考えておきたいことがいくつもある、ということを今回知っていただけたかと思います。


私は行政書士ですが、コンサルタントとしての立ち位置で、こうした手続きの流れを把握し、土地家屋調査士や司法書士などの専門家と連携しながら、お客様のご希望を伺い、必要な手続きや進め方を一緒に考えていくことができます。


「この土地を兄弟で分けたいけれど、実際にできるのだろうか」と思われたときには、ぜひ弊所までお早めにご相談ください。

 
 
 

専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。

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前回まで、預貯金や有価証券など、相続する財産についてお話ししてきました。

こうした財産があり、大きな事情がなければ、基本的には「相続して引き継ぐ」という方が多いのではないでしょうか。

一方で、相続する財産よりも借金などの負債が多い場合や、さまざまな事情から「相続したくない」と考える方もいらっしゃいます。

そのような場合に検討されるのが「相続放棄」です。

ただ、法律上の「相続放棄」と、一般にイメージされている「相続放棄」には、少し違いがあります。

その違いをご説明しながら、法律上の相続放棄を希望される場合に知っておいていただきたい注意点についても、お話ししたいと思います。


まず、「相続放棄」と思っているものは?


お客様とお話ししていると、

「以前、親の相続のときに、私は相続放棄したので……」

という言葉をお聞きすることがあります。

ところが、よくよくお話を伺ってみると、「遺産分割協議に参加し、遺産分割協議書にも署名押印したけれど、自分は何も財産をもらわなかった」というケースが少なくありません。

実はこれは、法律で定められている「相続放棄」とは異なります。


「相続人ではあるけれど、遺産分割協議の結果、財産を取得しなかった」ということなのです。


この二つには、大きな違いがあります。


法律上の「相続放棄」をすると、相続が始まった時点にさかのぼって、相続人ではなかったものとして扱われます。


一方、遺産分割協議で財産を取得しなかった場合は、相続人としての立場は変わりません。

そのため、「何も財産をもらわなかったから、借金などのマイナスの財産についても関係がない」とは限りません。

後から被相続人の債務が判明した場合には、相続人として債権者から請求を受ける可能性もあります。


本当の「相続放棄」とは?


では、法律上の「相続放棄」とは、どのようなものなのでしょうか。


法律上の相続放棄とは、家庭裁判所に申述を行い、家庭裁判所がその申述を受理するかどうかを判断し、受理されることで、相続をする権利を放棄する制度です。

原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に申述する必要があります。

「自己のために相続の開始があったことを知った時」というのは少し分かりにくいですが、簡単にいうと、亡くなったことだけでなく、自分がその方の相続人になったことを知ってから3か月ということです。


例えば、亡くなった方と長年連絡を取っておらず、亡くなったことも相続人になったことも知らなかったという場合には、必ずしも「亡くなった日」から3か月とは限りません。

そのため、自分が相続人であることを知った時期が重要になる場合には、そのことが分かる手紙や連絡などを、資料として残しておくことも大切です。


そして、家庭裁判所で相続放棄が受理されると、相続が始まった時点にさかのぼって、相続人ではなかったものとして扱われます。


つまり、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産についても、原則として相続する立場から外れることになります。


どんなときに相続放棄を検討する?


では、どのような場合に相続放棄を検討するのでしょうか。


例えば、

・明らかにプラスの財産よりも借金などのマイナスの財産が多い

・長年、被相続人と連絡を取っておらず、どのような財産や負債があるのか分からない

・被相続人との関係や、他の相続人との関係などから、相続に関わること自体を避けたい


など、さまざまなケースがあります。

ただし、相続放棄をすると、プラスの財産は相続して、マイナスの財産だけを放棄するということはできません。

預貯金や不動産などのプラスの財産も含めて、すべて相続する権利を失うことになります。


「3か月あるから」と考えず、早めの確認を


相続放棄を考える場合に、特に注意していただきたいのが3か月という期間です。

「まだ3か月あるから」と考えているうちに、財産や借金の調査に時間がかかってしまうこともあります。

3か月以内に判断することが難しい場合には、家庭裁判所に期間を延長してもらうための申立てができる場合もありますので、早めに専門家へ相談することが大切です。


相続財産には、むやみに手をつけない


また、相続放棄を検討している場合には、相続財産をどう扱うかにも注意が必要です。


例えば、被相続人名義の預貯金を自分のために使ったり、相続財産である不動産や株式を売却したりするなど、相続財産を処分した場合には、法律上、相続を承認したものとみなされることがあります。

そうなると、家庭裁判所に相続放棄が認められなくなる可能性があります。


また、被相続人に関する税金や保険料などの還付金についても注意が必要です。

還付金を受け取ったことが、相続財産の処分などとして相続放棄に影響する場合もあります。


「相続放棄をするつもりだったのに、知らずに相続財産を処分してしまった」ということにならないよう、判断に迷う場合は、先に専門家へ相談することをおすすめします。


自分だけの問題ではありません


そして、もう一つ知っておいていただきたいのが、相続放棄をすると、自分だけの問題では終わらない場合があるということです。


例えば、子どもが全員相続放棄をすると、次の順位である直系尊属、さらにその方もいなければ兄弟姉妹が相続人となります。

自分が相続放棄をすれば、それで終わり、と思ってしまう方もいらっしゃいますが、次の順位の相続人に「相続人としての立場」が移ることになります。

そのため、可能であれば、次の順位となる親族にも事情を伝え、相続放棄について相談しておくことが大切です。


知らない間に自分が相続人になっていた、ということがきっかけで、親族間の関係にひびが入ってしまうこともあります。


私がお手伝いできること


私は行政書士ですので、相続放棄そのものの家庭裁判所への申述手続きを、行政書士業務としてお引き受けすることはできません。


一方で、「そもそも相続放棄とはどういう制度なのか」「自分の場合、相続放棄を検討した方がよいのか」といった一般的なご相談をお受けすることはできます。


相続放棄は、単に財産をもらわないということだけでなく、法的に相続人の立場でなくなるための手続きです。

そのため、期限が定められているほか、相続財産の扱いにも注意が必要です。


「自分の場合はどうなのだろう」「相続放棄をした方がよいのだろうか」と迷われたときには、できるだけ早めにご相談ください。

具体的に相続放棄を検討される場合には、司法書士などの専門家におつなぎし、手続きについてご相談いただくことも可能です。

 
 
 

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先月は、「亡くなったら銀行口座はどうなる?」というテーマで、預貯金の相続についてお話ししました。

財産の中でも預貯金は、金額で調整することができるため、相続人それぞれの希望に沿った分け方がしやすい財産です。


一方で、株式や投資信託などの有価証券は、預貯金とは異なり、相続の際に悩まれることが少なくありません。


実際にご相談を受けていると、

「平等に分けたいので、全部売却して現金で分ければいいですよね。」

というお話を伺うことがあります。


確かに、現金化すると分けやすく、公平な相続を実現する方法の一つといえるでしょう。


ただ、「公平に分けられる」ということだけで、その方法がご家族にとって最もよい方法とは限りません。


現物のまま引き継ぐという方法ももちろんあり、例えば、

「この株式は長男へ、この投資信託は長女へ」

のように、ご家族で話し合い、決められることもあります。

どの方法が適しているかは、ご資産の内容、そしてご家族の状況や希望によって異なります。


そこで今回は、有価証券を相続するときに知っておいていただきたいポイントについて、お話ししたいと思います。

 

有価証券は、預貯金のようには分けられません


例えば、預貯金が1,000万円あれば、相続人が2人なら500万円ずつ分けることは比較的簡単です。

しかし、有価証券はそうはいきません。

株式や投資信託は、銘柄や保有数によっては、相続人それぞれが希望する形で平等に分けることが難しい場合があり、「現物のまま相続する」のか、「一度売却して現金で分ける」のかという選択が必要になることがあります。


現物のまま引き継ぐことができれば、売却することなく資産を承継でき、将来値上がりする可能性もあります。

一方で、相続人間で平等に分けることが難しい場合もありますし、将来の価値が約束されているわけでもありません。


また、売却して現金で分ける方法にも、分けやすいという利点がある一方で、考えておかなければならないことが実はたくさんあります。


ここから少し具体的にみていきましょう。


相続人に手間がかかることもあります


現物のまま引き継ぐ方法は、大切な資産をそのまま承継できるというメリットがあります。


その一方で、預貯金の相続と比べると、相続人ご自身で対応しなければならない手続きがあり、時間や手間がかかることがあるのです。


例えば、証券口座をお持ちでない場合は、新たに口座の開設を求められます。

もちろん、すでに口座をお持ちの場合は、その口座を利用できるケースもあります。


また、銀行で取り扱っている投資信託では、引き続き保有するために、ご本人が銀行で説明を受けたり、口座の手続きを行ったりする必要があることもあります。


相続手続きそのものは私が代理で進められる部分もありますが、このような手続きは、ご本人でなければ対応できません。


手続きの方法によっては思わぬ影響も


一方、売却して現金で分ける方法にも、知っておいていただきたい点があります。

売却して現金化すれば「分けやすい」というメリットはありますが、売却の方法によって税務上の取扱いに注意が必要です。


方法によっては確定申告が必要になる場合もあり、利益が出ることで翌年の所得税や住民税、場合によっては健康保険料などに影響が生じるケースもあります。


さらに、有価証券は価格が日々変動します。

例えば相続税がかかる場合は、その評価方法は法律で定められており、亡くなられた時点などの評価額を基に計算されますが、その後、実際に売却する頃には価格が大きく下がってしまうこともあります。

有価証券を売却して相続税を支払おうと思っていたのに、株価が下がり、想定していた金額で売却できなかった、ということも起こり得るのです。


正解は一つではありません


このように、有価証券には、現物のまま承継する方法もあれば、売却して現金で分ける方法もあります。

どの方法が良いのかは、ご家族の状況や相続人の希望、保有している資産の内容によって異なります。

そのため、「平等だから売却する」という考え方も一つですが、それだけが正解ではありません。 


私は相続手続きの専門家として、それぞれの手続きの流れや方法ごとのメリット・デメリットをご説明し、ご判断の一助となるようお手伝いしています。


一方で、

「この有価証券は今後も保有した方がよいのか」

「売却した方がよいのか」

といった投資判断や資産運用については、私がお答えできる分野ではありません。


そのような場合には、金融資産の相続や資産承継に詳しい専門家をご紹介し、それぞれのご家庭に合ったアドバイスを受けていただくことも一つの方法です。


また、相続が発生してからの相続人の判断に頼るのではなく、生前から、有価証券をこのまま保有するのか、それとも売却して現金化しておくのかなど、ご家族に合った方法を考えておくことも大切でしょう。

その際には、相続人の負担や希望、有価証券を保有し続けたいのか、それとも売却したいのかといった考え方も踏まえながら、ご家族で一度話し合ってみてはいかがでしょうか。



今回は、有価証券の相続は預貯金の相続よりも複雑であり、それぞれの方法にメリット・デメリットがあるということをお話ししました。


手続きの詳しい方法についてお伝えしたものではありませんが、有価証券の相続にはさまざまな選択肢があることを知っていただき、ご家庭に合った方法を考えるきっかけになれば幸いです。

 
 
 
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