亡くなったら銀行口座はどうなる?慌てないために知っておきたい相続の基本
- suzuranjimusho
- 7月5日
- 読了時間: 5分
専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。
当事務所では、遺言・相続・離婚のご相談をお受けしています。
このブログでは、お客様にぜひ知っていただきたい相続などの知識や私の活動記録などを発信していきます!
「亡くなったら銀行口座はすぐに凍結される。」
そんな話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際、ご相談の中でも、「銀行が勝手に口座を止めてしまうんですよね?」というご質問をいただくことがあります。
実は、これは少し誤解があります。
亡くなった瞬間に自動で凍結されるわけではありません
銀行口座は、亡くなった瞬間に自動的に凍結されるわけではありません。
金融機関が口座名義人の死亡を知った時点で、相続手続きのために口座が凍結されます。
例えば、ご家族が窓口で相続手続きを申し出たとき、担当者が死亡を知ったとき、新聞のお悔やみ欄などで知ったときなどがきっかけになります。
もちろん、相続手続きを進めるためには金融機関へ届け出る必要がありますので、実際にはその時点で口座が凍結されるケースがほとんどです。
なぜ口座は凍結されるのでしょうか?
預貯金は相続財産の一つです。
遺言書がない場合には、相続人全員で誰が預貯金を相続するのかを話し合い、決めなければなりません。
その前に銀行が払い戻しをしてしまえば、相続人間のトラブルにつながる可能性があります。
そのため金融機関は、相続人や相続内容が確認できるまで原則として払い戻しを行いません。
つまり、口座の凍結は相続人全員の権利を守るための仕組みでもあるのです。
相続手続きはどのように進めるの?
遺言書がない場合、一般的には、戸籍を集めて相続人を確定し、相続人全員で遺産分割協議を行います。
そこで誰が預貯金を相続するのかを決め、遺産分割協議書や金融機関所定の相続手続書類などを提出して、解約や名義変更を行うのが基本的な流れです。
金融機関によって必要書類は異なりますが、「まずは相続人全員で話し合う」ことが基本となります。
口座が凍結されると困ること
ご家族が亡くなられた直後は、葬儀費用や病院・施設の精算、当面の生活費など、お金が必要になる場面が少なくありません。
さらに、口座から引き落とされていた公共料金や携帯電話料金、クレジットカード、施設利用料なども、口座が凍結されると引き落としができなくなります。
契約先へ連絡をすれば引落口座を変更できますが、新しい口座での引落しが始まるまでには時間がかかることもあります。
その間は払込用紙で支払う対応となることが多く、必要な手続きを行えば、口座凍結とともにライフラインが止まってしまうわけではありません。
そのため、「口座振替が止まると困るから…」と銀行への連絡をためらう方もいらっしゃいますが、過度に心配される必要はありません。
エンディングノートが役立つ場面
亡くなられた直後のご家族は、「何がどこの口座から引き落とされていたのか」「どこへ連絡すればいいのか」が分からず困ることがあります。
利用している銀行、口座振替をしている契約、契約先や連絡先などをエンディングノートにまとめておくと、ご家族の負担を大きく減らすことができます。
「預貯金の仮払い制度」という仕組みもあります
2019年から、遺産分割協議が終わっていなくても、相続人が単独で一定額まで預貯金を払い戻せる「預貯金の仮払い制度」が始まりました。
戸籍などで相続人であることを証明し、手続きを行えば、
「預貯金残高×法定相続分×3分の1」を基準とした金額
(1金融機関あたり150万円が上限)
まで払い戻しを受けることができます。
急な葬儀費用などに対応するための制度ですが、必要書類の準備や金額の上限もあります。
そのため、「この制度があるから安心」というより、一つの選択肢として知っておいていただければと思います。
生前にできる備えもあります
亡くなってすぐに必要なお金という点では、生命保険を活用する方法もあります。
生命保険金は原則として受取人固有の財産であり、遺産分割の対象とはならないため、保険会社へ連絡をいれると、早ければ1~4日程度で受け取ることができます。
一方、遺言書を作成しておけば、誰が預貯金を相続するかをあらかじめ決めておくことができ、遺産分割協議が不要になるケースもあります。
ただし、公正証書遺言があったとしても金融機関での相続手続きは必要で、数週間程度かかることもあります。
「すぐに必要なお金」は生命保険
「預貯金の承継」は遺言書
というように、それぞれの特徴を生かした準備を考えることも大切です。
知っているだけで、慌て方は変わります
銀行口座が凍結されるという話だけを聞くと、「大変そう」と感じられるかもしれません。ですが、それは相続人全員の権利を守るための大切な仕組みです。
金融機関によって必要書類や手続きの流れが異なることもありますので、まずは取引のある金融機関へ確認することも大切です。
相続が発生すると銀行口座はどうなるのか。
どんな手続きが必要なのか。
その基本を知っておくだけでも、いざという時の慌て方は大きく変わります。
なお、預貯金の相続手続きについても、当事務所でサポートしております。
ご不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。
今回の記事が、銀行口座の相続手続きを知る第一歩となれば幸いです。




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