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ご家族が認知症…相続が起こったら~若年性認知症カフェ「結芽」の活動~

専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。

当事務所では、遺言・相続・離婚のご相談をお受けしています。

このブログでは、お客様にぜひ知っていただきたい相続などの知識や私の活動記録などを発信しています。


 

大津市の委託事業の一つ、若年性認知症カフェ「結芽」が、毎月第二水曜日に開催されています。

場所は、京都信用金庫膳所支店様のおしゃれなロビー

13時半~16時頃までの間、当事者の方々に限らずどなたにでも来て頂ける場となっています。


私がこのカフェに参加させていただくようになったのは、2023年の10月からです。

京都信用金庫の職員様が、私が参加している『湖城が丘サロン』に足を運んでくださった時に、このカフェのことを教えていただいたことがきっかけでした。

実は、私は父親を脳血管性の認知症で2017年に亡くしています。

私が行政書士になったのは、その後。

今の私には、この行政書士という立場から、発信できることがあるのではないかと思ったのです。


実際半年通ってみて感じることですが、このカフェの存在は地域の人々に知れ渡っている、という状況ではありません。

現状は「何かサポートをしていきたい」と考える方々が集まり、情報交換などをしている場になっています。

若年性認知症の当事者の方とその配偶者の方も定期的に参加してくださっているので、そのご夫婦にとって情報を仕入れる一つの場でもあり、別の場所へと繋がる場でもありつつ、もっと色々とできることを増やしていきたい・・と主催の方が模索してくださっている状況です。


認知症と言ってもひとくくりにはできません。

・アルツハイマー型認知症

・血管性認知症

・レビー小体型認知症

・前頭側頭型認知症

と4つの種類と初期症状があるようです。


私自身、まだまだ勉強不足です。

父親の症状が他の方に当てはまるわけでもないでしょうし、一つの経験として受け止めるべきだと思っています。

それでも、元気だった時は少し怖かった父が、文字が読めなくなってきて新聞を逆さまに読んでいた姿、母を探しに出かけてそのまま迷子になってしまって夜中まで見つからず探し回ったこと、胃ろうをしないと生きていけないという選択を迫られ決断したこと・・

母は寝たきりになった父を10年介護して看取り、一緒に住んでいない私達家族もみんなで頑張りました。

私にとって大きな経験であることは間違いありません。

そして今の私には生前対策を行っている行政書士として発信できることがあります。

その一つが「相続が発生したときに、相続人に認知症など判断能力がない方がいらっしゃる場合、遺産分割は困難なので、ぜひ生前に遺言を書いてください」ということです。



遺産分割協議というのは、相続発生後に亡くなった方の財産をどのように分けていくかということを、相続人全員で話し合うことを言います。

話し合いで決まった内容を遺産分割協議書というものにまとめ、署名押印をしていきます。

相続発生後にはこの遺産分割協議書の作成をしないと、不動産の名義変更などの手続きができないのですが、これは形式的なものではなく、きちんとした契約事です。

契約というのは、判断能力がある方にしか行えない行為です。

認知症が進み、判断能力がない状況の方が相続人の中にいらっしゃる場合、この遺産分割協議に参加できないということなのです。

ということは、亡くなった方の財産を動かすことができなくなる、ということです。

それでも遺産分割協議を進めたい、となれば、認知症の方に法定後見人をつけて、協議を行うことになります。

そうするとその法定後見人はその後外すことができず、一生費用が掛かり続けることになるのです。


こういった事態を避けるには、生前に遺言を書いていただくこと。

遺産分割協議が必要なくなり、遺言執行者を就けておけば更に財産の移転がスムーズに行われることになるのです。


認知症の方がご家族にいらっしゃる場合、その方を支えることに目が行きがちですが、少し視点を変えてみると、このようなことも実は大切な対策の一つなのです。

また、ご自身が認知症になる前に、将来に備えて信頼するご家族と任意後見契約を公正証書にて結ぶ、ということもお元気なうちにできる対策の一つです。


カフェ結芽の活動は、色々なことを考えさせてくれます。

当事者の方の憩いの場となるのか、発信の場となるのか、または専門家に相談できる場となるのか・・

どれか一つでなくていい、色々な形を組み合わせてお役に立てる場になっていきたい。

その一つの歯車として、私も法的な発信をしつつサポートしていける役割を担っていければ、と思っています。


結芽に一度来てみようかな、と思われたら、お気軽にどうぞ。

どなた様も大歓迎です。

認知症があってもなくても、人と人とが繋がれる場であり、助け合える場としてこの1年活動は続いていきます。

美味しい珈琲とお茶菓子でおもてなしいたします(^^♪




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