専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。
当事務所では、遺言・相続・離婚のご相談をお受けしています。
このブログでは、お客様にぜひ知っていただきたい相続などの知識や私の活動記録などを発信しています。
最近、私の元にもおひとりさまのご相談が増えてきています。
一概に「おひとりさま」と言っても、何も天涯孤独の方のみのことを指すわけではありません。
・お子様がいても遠方で頼れる状況でない
・お子様はおらず、兄弟姉妹や甥姪などはいるが遠方
・ご親族と疎遠
など、状況は様々。
終活の場面においては、「困った時に頼れる人のいない高齢者」という意味合いで理解しておけば良いのではないかと思います。
ご相談くださる方の中には、近くにご親族もいて普段は交流もあるけれど、ご自身のこれからのこと、死後のことを、「お身内に頼るのではなく早めに専門家なりどこかの団体などに依頼しておいた方がいいのでは」と考えて情報を得ようとして動いておられる方もいらっしゃいます。
皆様は、おひとりの方が亡くなった場合、葬儀や納骨などはどうなるのかご存知でしょうか。
たとえば、身寄りがない方、または身寄りはあるが長年誰とも連絡を取っておらず、いざという時に葬式をあげてもらえない・・という方の場合、「墓地埋葬法」という法律に基づき自治体がこれを行うことになります。
生活保護を受給している方の場合は、まず自治体の福祉課などが動くことになるでしょう。
しかし、それを望むのではなく、ご自身のこれからのことを考えていきたい、という場合、我々のような専門家にご相談をいただくと、ご提案をするのは「遺言書作成・死後事務委任の契約」と「生前からのサポート」です。
そのうち、今日は「遺言書作成」と「死後事務委任の契約」について、ご説明していきたいと思います。
おひとりの方がいざ亡くなった時「自分の財産はどうなるのか、死後の後始末は誰がしてくれるのか・・」といったことに対応するためには、まずこの「遺言書作成」と「死後事務委任の契約」が必要になります。
相続人がいない方の場合、遺言書がなければ、基本的に財産は国庫へ帰属します。
この国庫帰属の金額は、1年で440億円にのぼる、ともいわれています。
「そうはしたくない、お世話になった施設などに寄付をしたい」または「これまでよくしてくれた甥姪に財産を遺したい」などの希望を叶えたければ、遺言書を作成し、遺言執行者を立てておくことが必要になります。
遺言書によってこれらの希望は叶えられたとしても、その他「お葬式をどのようにあげるか、納骨はどうするか、家の片づけは、役所での手続きは誰が行うのか・・」など、人が亡くなった後にやらなければならない諸々の手続きは、実は、遺言書だけでは解決しません。
この場合、遺言書作成に加えて「死後事務委任」という契約を、専門家などと交わし取り決めをしておく必要があります。
死後事務委任契約の内容は、たとえば、
・行政機関への諸届、未払い税金の支払い
・葬儀や火葬の施行
・入院費や施設の生産
・SNSアカウント等の削除
・関係者への死亡通知
など、これも様々あります。
その人にとって、何が必要かということをしっかり聞き取りして、必要な契約をできるだけ漏れがないように結んでいく必要があります。
人は1人で生まれ、1人で生きているわけではありません。
それと同様に、「誰の手も借りずに死ぬ」というわけにもいきません。
いくら終活をしっかりやって、物を減らして遺言書を作成しても、最後の最後は誰かが動く必要があります。
ご家族がいれば、きっと当たり前のようにやってくれるでしょう。
しかし、おひとりさまの場合は、「きっと誰かがやってくれるだろう」ではなく、そこはご自身が「ご自身の最後をお願いしたい方」を決めて、しっかりと準備をしておくことがとても大切になってきます。
そして、これら作成した遺言書の執行や死後事務を行うために、依頼する側と依頼される側は、生前から連絡を取り合う必要があります。
なぜなら、その方が亡くなったことを知る術がなく、実行する時を知らずに過ごしてしまうと大変だからです。
そんなことにならないように、信頼関係を築いた中で生前から交流をもち、お元気でいることを確認し、様子がおかしいとなれば次の手を打っていく・・このような継続的な関係性を作っていくことが必要です。
生前の関りやサポートについては、長くなるので、次回のブログで書きたいと思います。
今回は、おひとりさまがご自身の最期に向けてどのようなことを考えていく必要があるか、ということについて書きました。
「自分にいざということが起こった時、どうなるのだろう」と漠然とした不安を抱えたまま暮らすのではなく、ぜひその方法を知り利用してください。
きっとこれからの生活を、安心した中でお過ごしいただけると思います。
すずらん行政書士事務所では、このようなご相談も承っていますので、お一人で悩まれずにまずはお気軽にご相談ください。
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