- suzuranjimusho
- 2025年4月30日
- 読了時間: 5分
専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。
当事務所では、遺言・相続・離婚のご相談をお受けしています。
このブログでは、お客様にぜひ知っていただきたい相続などの知識や私の活動記録などを発信しています。
今回は、相続人を証明する、とても便利な『法定相続情報証明制度』の『法定相続情報一覧図』について、説明をしていきます。
この制度、法務局のHPによると、『「法定相続情報証明制度」は、相続人から相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)とともに、戸除籍謄本等の束を登記所に提出していただき、一覧図の内容が民法に定められた相続関係と合致していることを登記官が確認した上で、その一覧図に認証文を付した写しを無料で交付するというものです』と書かれています。
ここから詳しく説明していきましょう。
相続が発生すると、必ずしなければならないこと、その一つは相続人の確認である、ということは、これまでのブログでも何度も出てきていますね。
法律で決められた相続人は誰か、ということを確認するためには、被相続人(亡くなった方)の戸籍を一生分集めることが必要です。
戸籍は、出生の時の届出により初めて記載され、その後結婚や転籍などによる戸籍の異動があると、その都度戸籍は増えていきます。
それだけでなく、法律による戸籍の改製が行われたりするので、一生分の戸籍を集めるとおおよそ2通~6通程度になったりします。
もちろん人によるので、これは集めてみなければ確実な通数はわかりません。
次に、その集めた戸籍を読み解き、相続人が何人いるのか・・と確認をしていきます。
相続の手続きを進めるためには、相続人とされる人が現在も存命かどうか、そして被相続人との繋がりを確認するために、相続人の戸籍謄本も集める必要があります。
そうなると、揃える戸籍関係だけで、10通以上となることも、珍しいことではないのです。
さて、それらを集め、被相続人の財産にどういったものがあるかも判明すると、その財産を誰がどのように相続するか、という話し合い(遺産分割協議)をして、それを書面に残します。
これが「遺産分割協議書」です。(これまでのブログにも、何度も出てきていますね)
ここまで来てようやく、財産(不動産や預貯金など)の名義変更ができるのですが、
手続先によって様々必要書類が決められています。
基本的に、まず間違いなく提出する必要があるのは、
① 誰が相続人であるかを確認する書類
② 遺産分割協議書
③ 遺産分割協議書に押印した実印の「印鑑証明書」
となってきます。
この時の「①誰が相続人であるかを確認する書類」というのがすなわち「被相続人の一生分の戸籍と、相続人の戸籍謄本」です。
これ、10通以上の戸籍書類を都度提出して手続きするのは、大変だと思いませんか?
そして、提出先で、毎回戸籍の確認作業をしてもらわなければいけないので、時間もかかります。
同時に複数先の手続きを進めようと思い、10通以上の束を2束、3束用意する、となると、取得のための費用もかかってきます。
そこで、この戸籍の束の代わりとなるのが、『法定相続情報証明制度』の『法定相続情報一覧図』です。
一度作成・申請して、相続人が一覧で表された、法務局の認証をもらった「法定相続情報一覧図」を手に入れると、この一覧図が「①誰が相続人であるかを確認する書類」となるのです。
しかも、法務局への申請に、費用はかかりません。
尚且つ、その一覧図、10枚でも20枚でも、希望するだけ発行してくれるのです。
となると、戸籍の束を持ち歩く必要がなくなります。
手続きをしたい先に、戸籍の代わりに「法定相続情報一覧図」を1枚提出すればそれで相続人の確認をしてもらうことができます。
提出先にとっても戸籍を確認する必要がなくなる分、手続き時間も短縮できますね。
そして、同時に複数の先の手続きをすることも可能になります。
必要書類は?
こんな便利な「法定相続情報一覧図」。
活用していただくためには、まずどんな書類を集める必要があるか、以下を参考にしてみてください。

これは、法務局が案内している、「必ず用意する書類/必要となる場合がある書類」です。
手続先によって、住民票が要る場合は、法定相続情報一覧図に住所の記載もして、住民票も添付して申請しましょう。
ただ、よく勘違いをされる方がいるのですが、戸籍や住民票を集めて法務局に申請すると、法務局が一覧図を作ってくれる・・のではありません。
申請するためには、自分でエクセルにて一覧図を作成する必要があります。
その一覧図の書き方にも、いくつか約束事があります。
法務局のホームページを確認すると、その約束事に則ったエクセルが、相続人のパターン別に用意されています。
それを活用すると作成しやすいでしょう。
このエクセル作成は少々手間がかかりますが、この『法定相続情報一覧図』は非常に便利なため、弊所が相続の手続きさせていただくときは、たいていこの制度を利用しています。
ご自身で相続の手続きはしてみるつもりだけど、一覧図の作成が難しい、という場合も、ぜひ弊所にご相談ください。
利用できる制度は、ぜひ利用していきましょう。
- suzuranjimusho
- 2025年3月27日
- 読了時間: 3分
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今回は、前回からの流れで「公正証書遺言」についてご説明していきます。
まずは、振り返りから始めていきましょう。
前回は、「自筆証書遺言」についてご説明をし、「勝手に開封しないで」ということをお伝えしました。
「自筆証書遺言」とはその名の通り、「自分で全文を自筆する遺言書」のこと。
手軽に書くことはできますが、法務局保管制度を利用せずに、ご自宅などで保管していた場合は、「遺言書の存在を、相続人に公に知らしめ、相続登記や金融機関の手続きに使う」ために「家庭裁判所での検認が必要」ということを解説しました。
皆様覚えていらっしゃいますか?
さてここからが、今日のテーマである「公正証書遺言」についてです。
公正証書遺言とは
「公正証書遺言」とは、公証役場で公証人が作成する形式の遺言書のことを言い、遺言書の内容を安全に管理し、実現性を高めたい方にお勧めするものとなります。
もう少し細かくみていきましょう。

上記は、私が、セミナーなどでお示ししている、自筆証書遺言と、公正証書遺言の比較表です。
公正証書遺言の大きな特徴としては、
※公証役場で、公証人によって作成される
※作成時に、2人証人が必要(証人に内容を知られる)
※公証役場へ、財産額や内容に則った手数料を支払う必要がある
※原本は公証役場で安全に保管されるため、紛失や滅失・改ざんの心配がない
※お亡くなり後に、家庭裁判所の検認が不要
が主なものになります。
検認が必要な自筆証書遺言と違い、公正証書は検認が不要、これは大きな違いですね。
作成時に資料の提出が必要
そして、作成時には公証役場へ色々な資料の提出が必要になります。
例えば、
・遺言者の出生~作成時点までの戸籍謄本等
・相続人の戸籍謄本などの資料
・財産の資料(不動産の謄本、評価証明書、通帳など)
です。
これらは、もし遺言書を作らずに亡くなった場合や自筆証書遺言を作成していて準備していなかった場合、お亡くなりになった後に、相続人の方が集めなければならない資料と同じです。
これらを、生前にご自身で集めるのは面倒だなぁ、と思う方もおられるかもしれませんが、結局は誰かが揃えなければいけない資料、ということだと、ぜひご理解ください。
生前にこうした準備をしたうえで作成する「公正証書遺言」は、遺言者は大変かもしれませんが、内容もしっかり整えられれば「自分が亡きあとに家族に揉めてほしくない」「手続きをスムーズに行ってほしい」という想いが実現できます。
想いを実現するために
想いを実現するためには、「内容もしっかり整えられれば」というところが大きなポイントとなります。
これは、法的な知識がないと難しいところも多々あります。
せっかくの公正証書遺言が、準備は万全だったのに、内容がいま一つだったということにならないように、内容をしっかりと吟味することがとても重要になります。
手軽に書ける「自筆証書遺言」。しかし、亡くなったあと相続人のやるべきことは多い。
準備は大変な「公正証書遺言」。しかし、亡くなったあと相続人の負担は非常に少ない。
どちらを選ぶのが良いか、皆様の状況によっても異なってきます。
弊所にご依頼いただければ、ご面倒な手続きは全てお引き受けいたしますので、ぜひ一度ご相談ください。
- suzuranjimusho
- 2025年2月27日
- 読了時間: 4分
専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。
当事務所では、遺言・相続・離婚のご相談をお受けしています。
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今地上波で「相続探偵」というドラマが放送されています。
これまでの回では、自筆証書遺言が見つかるところからストーリーが展開しており、お話としても面白く、勉強にもなるので、毎回楽しみに観ています。
このドラマに限らず、「自筆証書遺言」すなわち、亡くなった方が生前に「自筆で全文を書いた遺言書」が自宅から見つかった場合、相続人を集め、そこで封筒を開け、内容を読む・・というストーリー展開が常となっていますが、実際は、遺言書の封を勝手に開けることはNG!ということ、皆様ご存知でしょうか?
今日はこのことについてお話していきたいと思います。
まず、遺言書の種類はいくつかありますが、主に、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があり、基本的にはこの二つを皆様には知っておいていただければ、と思っています。
「自筆証書遺言」とは
遺言を書く方が、「全文を自筆」で書いたうえ、「日付の記載」「署名押印」をして、封筒に入れて保管する遺言書、これが「自筆証書遺言」です。
遺言書として有効なものにするには、法律に定められたこれら要件を満たす必要があります。
そして、作成後の保管方法には大きく二つあります。
ひとつは「法務局で保管してもらう」という方法です。
これが制度として始まったのは、令和2年7月。
遺言書を書く際の用紙サイズや書くスペースなどに決まりがあります。
ただ、作成後は法務局で保管してもらえるため、遺言書の紛失・亡失のおそれがなく、相続人等の利害関係者による遺言書の破棄、隠匿、改ざん等を防ぐことができる、というメリットがあります。
そして、もうひとつは「ご自宅などで保管する」という方法。
この方法だと、法務局のような様式の決まりなどはないので、思い立ったその日に、ご自宅にある便せんと封筒を使って、すぐに書いてしまっておくことができる、というメリットがあります。
ただ、遺言書を書いたことを相続人が知らない場合、見つけてもらえない恐れがあり、場合によっては改ざん、遺棄などをされてしまう危険も伴うため、必ずしも安全な良い方法とは言えません。
そして、この「自宅などで保管する」場合、忘れてならないのは、「勝手に開封してはいけない」ということ。
法務局以外の場所で遺言書を保管していた場合、それを見つけた相続人は、家庭裁判所に「遺言書検認」の申し立てをする必要があるのです。
「遺言書検認の申し立て」とは
この「遺言書検認」について、法務局のサイト上では、「相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして,遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。」と、書かれています。
簡単に言うと、「遺言書の存在を公的に認め、相続人に知らせる」ものであり、内容について「有効か無効か」を判断してもらうものではないのです。
手続そのものが終わるまでに2~3ヶ月かかることもあるので、遺言書作成は簡単だけど、亡くなった後に諸々の手続きが必要、ということになります。
もし、遺言書を作成しないまま亡くなった場合、金融機関や不動産登記などの手続きを行うためには、相続人全員で「遺産分割協議」に伴った「遺産分割協議書」を作成・署名押印し、それを添付書類として提出する、ということが必要になります。
しかし手続きに使うための内容がしっかりと書かれている遺言書があれば、「遺産分割協議書」は不要となります。
ただ、自宅など、法務局以外で保管された自筆証書遺言の場合は、手続きに使うためには、家庭裁判所での「検認」を経る必要がある、というのが大きなポイントになります。
言い方を変えると、「検認」が必要なのに行わなかった自筆証書遺言は、いくら内容が有効であっても、手続きに使うことはできず、結局は相続人全員で署名押印する遺産分割協議書を作成しなければならない、ということになってしまうのです。
ドラマでは、相続人が自宅に集まり、そこで重々しく遺言書を開封して、そこからストーリーは展開していきますが、実際にご自宅などに保管している「自筆証書遺言」が出てきた場合は、必ず家庭裁判所へ「検認申立て」を行ってください。
勝手に封を開けると、罰金5万円という法律もあるので、要注意です。
では、公正証書遺言書がある場合はどうなるでしょう。
自筆証書遺言と公正証書遺言の違いも合わせて、次回のブログで解説していくので、楽しみにお待ちくださいね。



