- suzuranjimusho
- 3月31日
- 読了時間: 4分
専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。
当事務所では、遺言・相続・離婚のご相談をお受けしています。
このブログでは、お客様にぜひ知っていただきたい相続などの知識や私の活動記録などを発信していきます!
相続のご相談を受けていると、よくいただくご質問があります。
「相続手続きって、自分でできますか?」
結論からお伝えすると、できる場合もありますが、すべてのケースで簡単にできるわけではありません。
状況によって、手続きの負担は大きく変わってきます。
では、どのような場合に「自分でできる」のか、また「専門家に頼んだ方がよい」のか、その判断の目安をお伝えします。
自分でできるケース
比較的スムーズに進められるのは、次のような場合です。
・相続人が少ない(配偶者と子どもだけなど)
・財産がシンプル(預貯金が中心)
・相続人同士の関係が良好
このようなケースであれば、金融機関での手続きなどを一つひとつ進めていくことで、ご自身で完了できることもあります。
手続きが難しくなるケース
一方で、次のような場合は注意が必要です。
・兄弟姉妹が相続人になる
・戸籍の収集が多くなる
・相続人の人数が多い
・不動産が含まれている
・認知症の方など、判断が難しい相続人がいる
さらに、実務では次のようなケースも多く見受けられます。
・前妻・前夫の子が相続人となるが、交流がない
・過去の相続手続きが未了で、被相続人がその相続人となっている
・相続税がかかる可能性がある
・海外または遠方に相続人がいる
例えば、前回のブログでもお伝えした「兄弟相続」の場合、戸籍の収集だけでも非常に複雑になります。
相続人が10人以上になることも珍しくなく、連絡や調整だけでも大きな負担となります。
また、関係性が薄い相続人がいる場合や、海外にお住まいの方がいる場合などは、手続きそのものよりも「連絡を取り、合意を得ること」が大きなハードルになることもあります。
こうしたケースでは、「自分でやろうとして途中で止まってしまう」ということも少なくありません。
さらに、手続きが長引くことで、相続税の申告期限に間に合わないといった事態につながる可能性もあります。
見えにくい“落とし穴”もあります
相続手続きで難しいのは、「何をすればいいか分からない」ことだけではありません。
・相続人の確定に漏れがある
・財産の把握が不十分
・分け方によって税金が変わる
こうしたポイントは、最初の段階で気づいていないことも多く、後からやり直しが必要になるケースもあります。
特に、相続税が関係する場合は、分け方によって負担が大きく変わることもあり、慎重な判断が求められます。
専門家に頼む意味
専門家に依頼するメリットは、「手続きを代わりに行うこと」だけではありません。
・全体を整理し、必要な手続きを見える化する
・ミスや見落としを防ぐ
・ご家族の負担を減らす
さらに、書類作成においても、単に作るだけではなく、
手続きがスムーズに進むような書き方や、将来のトラブルを防ぐための工夫といった視点を持って進めていきます。
また、相続手続きでは、税理士や司法書士、不動産会社など、複数の専門家が関わるケースも少なくありません。
本来であれば、お客様ご自身が全体を把握し、それぞれの専門家とやり取りをしながら進めていく必要がありますが、実際にはそれは大きな負担となります。
私のようにコンサルティングの立場で関わることで、各専門家との間に入り、全体の流れを整理しながら手続きを進めていくことができます。
それぞれの専門家を個別に依頼して進めていくと、情報の行き違いや整合性が取れなくなることもありますが、最初から全体を見て進めることで、無駄やミスを防ぐことにもつながります。
複雑な相続ほど、「誰が全体を見るか」がとても重要です。
こうしたケースでは、専門家が関わることで、結果的にスムーズで安心できる相続につながります。
まとめ
相続手続きは、「自分でできるかどうか」だけで判断するものではありません。
大切なのは、安心して、確実に進められるかどうかです。
無理にすべてをご自身で行う必要はありません。
途中から関わる場合には、状況の整理ややり直しが必要となり、結果として同じ、もしくはそれ以上の費用がかかることもあります。
少しでも不安を感じたら、まずは早い段階でご相談いただくことも一つの方法です。
相続は、起きてから慌てて進めるものではなく、落ち着いて一つひとつ整えていくものです。
そして本来は、生前のうちから準備をしておくことで、ご自身の想いも、ご家族の安心も守ることができます。
ご自身やご家族にとって最適な形で進めていくために、ぜひ一度ご相談ください。
- suzuranjimusho
- 3月1日
- 読了時間: 5分
専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。
当事務所では、遺言・相続・離婚のご相談をお受けしています。
このブログでは、お客様にぜひ知っていただきたい相続などの知識や私の活動記録などを発信していきます!
相続のご相談の中で、実はとても多いのが「兄弟姉妹が相続人になるケース」です。
このケースは、
・配偶者はいるけれど子どもがいない(親もいない)
・独身で、親も子どももいない
こういった場合に起こります。
一見、「兄弟なら話しやすいのでは?」と思われるかもしれません。
ですが、実際の手続きは、想像以上に大変になることが多いのです。
戸籍集めがとても複雑
兄弟相続が大変な理由のひとつが、戸籍の収集です。
子どもが相続人の場合は、被相続人の戸籍を出生から死亡まで集めれば足ります。
しかし、兄弟姉妹が相続人になる場合は違います。
・被相続人の出生から死亡までの戸籍
・被相続人の親の出生から死亡までの戸籍
・兄弟の中で亡くなっている方がいれば、その方の出生から死亡までの戸籍
・相続人の戸籍として、その亡くなっている兄弟の子(被相続人の甥・姪)の戸籍
ここに代襲相続や数次相続が絡むと、確認だけでもかなり複雑になります。
「そもそも相続人が誰なのか分からない」という状態から始まることも、決して珍しくありません。
遺産分割に参加する人数が増える
高齢の方の場合は、兄弟が5人以上いることも珍しくなく、さらに亡くなっていれば甥姪が加わります。
気づけば10人や20人を超える相続人になることもあります。
その中に、
・高齢で認知症の方がいる
・施設に入所している
・連絡が取りにくい
といった事情があると、手続きは一気に止まってしまいます。
場合によっては、成年後見の申立てが必要になることもあります。
そもそも連絡の取り方が分からない
普段からやり取りをしている兄弟ばかりとは限りません。
・長年会っていない
・住所も分からない
・電話番号も知らない
というケースもあります。
特に、被相続人に配偶者がいる場合はさらに大変です。
配偶者にとっては義理の兄弟姉妹。
その方々と話し合いをし、遺産分割をまとめなければなりません。
精神的な負担は決して小さくありません。
兄弟姉妹には「遺留分」がない
ここは、とても大切なポイントです。
兄弟姉妹には、遺留分(最低限の取り分)という権利がありません。
つまり、遺言書があれば、
・配偶者にすべて相続させる
・特定の方に多めに渡す
といった内容でも、原則としてそのまま実行できます。
兄弟姉妹が相続人になるケースこそ、実は遺言書の効果がとても大きいのです。
配偶者のためにも、遺言書は「必須」に近い
配偶者がいる場合、
「自分が亡くなったあと、配偶者が兄弟と話し合いをしなければならない」
その状況を想像してみてください。
多くの戸籍を集め、普段付き合いのない親族に連絡を取り、遺産分割をまとめていく。
これは本当に大きな負担です。
けれど問題は、手続きの大変さだけではありません。
「配偶者がこれから安心して暮らしていけるように、すべて相続させたい」
そう考えている方は、とても多いでしょう。
しかし、遺言書がない場合、その思いを実現するには、大きなハードルがあります。
それは兄弟姉妹全員の同意と実印が必要、ということです。
たとえ被相続人が「全部、配偶者に」と強く思っていたとしても、遺産分割協議書にハンコをもらえなければ、その形は実現しないのです。
住み慣れた家に安心して住み続けられること。
これからの生活費を心配せずに使っていけること。
その安心を確実なものにするためには、正式な遺言書が必須といってよいでしょう。
遺言書があれば、遺産分割協議そのものが不要になり、手続きがスムーズになるだけでなく、配偶者の生活を守ることにもつながります。
配偶者がいない場合でも
独身で子どもがいない方の場合も同様です。
兄弟間で話し合いをしていかなければなりませんが、その兄弟が高齢であることも多く、「誰が取りまとめるのか」というところから大変になることもあります。
「自分が亡くなったあとに、またこんなに大変な思いをさせるのは忍びない」
ご自身がその手続きを経験して、そう言われるご家族も少なくありません。
やはり、遺言書があるに越したことはありません。
兄弟相続は「煩雑」なだけではありません
兄弟姉妹が相続人になる場合、
「子ども同士よりは揉めにくいのでは?」
と思われることがあります。
確かに、実務の現場では、まず“手続きが煩雑”という大変さが目立ちます。
ですが、それだけではありません。
実際には、
・その相続財産をあてにしている方がいる
・「自分にもいくらかはもらえるはず」と思っている
・配偶者が「全部ほしい」と言うことに納得できない
こうした思いがぶつかることもあります。
兄弟姉妹には遺留分はありません。
法律上は「必ずもらえる権利」はないのです。
それでも、
「印鑑を押してくれない」「強く主張してくる」「直接話をしに来る」
という状況になることは、現実にはあります。
そうなると、円満に終わらせたい配偶者が、
「少し渡してでも早く終わらせたい」
と考え、本意ではない形で合意せざるを得ないこともあります。
あるいは、争いに発展してしまうケースもあります。
決して多数派とは言いませんが、私自身が見聞きしてきた現実です。
だからこそ――
兄弟姉妹が相続人になる可能性がある場合、遺言書の有無は本当に大きな違いを生みます。
遺言書があれば、原則として遺産分割協議は不要です。
「話し合い」そのものを避けることができます。
これが、何よりも大きな安心につながります。
相続は、起きてから整えることはできません。
けれど、起きる前であれば整えることができます。
「自分の死後に、配偶者が困らないように」
「余計な話し合いをさせたくない」
その想いを、確実に形にできるのが遺言書です。
兄弟姉妹が相続人になる可能性がある方こそ、今のうちに一度、立ち止まって考えてみてください。
大切な方のこれからの安心を守るために。
遺言書という選択肢があります。
いつでもご相談ください。
専門家とお客様をつなぐ「安心の窓口」、大津市のすずらん行政書士事務所、中川由恵と申します。
当事務所では、遺言・相続・離婚のご相談をお受けしています。
このブログでは、お客様にぜひ知っていただきたい相続などの知識や私の活動記録などを発信していきます!
相続や遺言のご相談をお受けしていると、「もっと早く知っていれば、違う選択ができたかもしれない」そう感じる場面に、たびたび出会います。
その中でも最近、特にお伝えしておきたいのが成年後見制度についてです。
実は今、この成年後見制度が見直されようとしていることをご存じでしょうか。
成年後見制度って、どんな制度?
成年後見制度とは、認知症などで判断がむずかしくなった方の代わりに、財産の管理や契約の手続きを行う人をつける制度です。
後見人がつくことで、本人が不利な契約を結んでしまうことを防ぎ、財産を守る役割を果たします。
この制度には、大きく分けて「法定後見」と「任意後見」の2つがあります。
「法定後見」は、すでに判断がむずかしくなってから、家庭裁判所が後見人を選ぶ制度です。
ご家族が立候補をして、選ばれる場合もあれば、家庭裁判所の判断によってご家族ではなく専門家が選ばれることもあります。
「任意後見」は、元気なうちに「将来、この人にお願いしたい」と決めて、契約をしておく制度です。
任意後見の方が、ご自身が信頼している人に将来の自分のことを託すことができるので、安心感はある制度となっていますが、それぞれにメリット・デメリットがあるので、判断材料はこれだけではありません。
相続の現場でよくある「困ったケース」
相続のお仕事をしていると、生前は特に問題なく、家族が支え合って生活していたのに、相続の話になった途端、成年後見が必要になるというケースが少なくありません。
たとえば、相続人の中に判断がむずかしいご家族、具体的には、精神的なご病気がある方や、認知症の方などがいらっしゃり、話し合いを進められない、という場面。
こういう場面では、遺産分割をするには、「後見人をつけないと手続きが進められない」という状況になることがあります。
そうなると、家庭裁判所への法定後見の申立てが必要になります。
後見人がつくことで、手続き自体はできるようになりますが、そこにはいくつかの制約もあります。
後見人がつくと、できること・できないこと
法定後見が始まると、遺産分割は原則として「法定相続分」どおりに考える必要があります。
「家は長男に」「預金は均等に」といった、家族で話し合って決めたい分け方が、そのまま認められないことがあります。
これは、後見人が「その方にとって不利にならないか」を最優先に考える役割があり、
後見制度というのはすべて、本人を守るための仕組みだからです。
その結果、「家族が考えていた相続の形」と「実際にできる相続の形」が違ってしまうことがあるのです。
これは、ぜひ皆様に知っておいていただきたいところです。
そして、もう一つ大きなポイントがあります。
一度開始した後見は、簡単にやめられない
今の法定後見制度では、たとえば「遺産分割のため」に後見人をつけたとしても、その話し合いが終わっても、判断能力が回復しない限り、後見をやめることはできません。
つまり、目的が終わっても、後見は続くのです。
この点が、利用する側にとって大きな負担になっているのではないかという声が、多くあがってきました。
なぜ、制度が見直されようとしているのか
こうした実情を受けて、国では成年後見制度の見直しについて、本格的な議論が進められています。
「ある手続きのために後見人をつけたのに、その目的が終わってもやめられない」
この仕組みが、本当に今の時代に合っているのか。もっと使いやすい制度にできないのか。
そうした問題意識から、制度の見直しが検討されているのです。
相続で困らないために、今できること
では、相続の場面で「後見人を立てざるを得ない状況」にならないために、今できることは何でしょうか。
私が現場で強く感じているのは、遺言書の大切さです。
判断が難しくなる可能性のある方ご本人ではなく、ご家族のほうが遺言書を作成しておくことで、遺産分割の話し合い自体をしなくてすむ状況を作ることができます。
これは、今の制度の中でできる、とても有効な方法です。
制度が変わっても、遺言書は大切
今後、成年後見制度が見直されたとしても、法定相続分が基本になる考え方自体は、大きく変わらない可能性が高いと考えられます。
遺言書があれば、原則として遺産分割協議は不要になります。
後見人を立てる必要もなく、相続手続きを進めることができます。
制度が見直されようとしている今だからこそ、「将来どうなるか」を待つのではなく、「今できる備え」をしておくことが、結果的にご家族全員の負担を軽くすることにつながります。
成年後見制度の法改正は、大きな前進になる可能性があります。
ただ、それでもなお、相続対策として遺言書の重要性が変わることはありません。
相続は、起きてから考えるものではなく、起きる前に整えておくもの。
現場で日々感じている実感として、そのことを最後にお伝えしたいと思います。
ご自身やご家族の状況から、どんな対策をすればいいか、どんな遺言を用意すればいいか、弊所ではいつでもご相談を承ります。
一緒に今できる事前の準備を進めていきましょう。



